クローン病の肛門病変

最近クローン病や潰瘍性大腸炎といった腸管に潰瘍を生じる炎症性腸疾患が増えています。なかでも、クローン病は若年者の全消化管に病変が及ぶ病気です。肛門にも肛門周囲膿瘍・痔瘻や裂肛があります。この場合の病変部は通常の場合と違っています。肛門周囲膿瘍・痔瘻は複雑で、肛門腺と関連しない場合があります。裂肛は痛みが少なく、潰瘍と表現するような広く大きい場合があります。ですから、若い人でこれらの肛門病変をみた場合は逆にクローン病を疑って大腸・胃・小腸の検査を行うことになります。腸管病変の治療を行って、肛門にはできるだけ低侵襲の処置を行っていきます。クローン病の人も肛門病変があるかどうかを診断しておくことも大切です。

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