直腸に貯まった便をうまくだせないことを便排出障害といいます。トイレの時間が長かったり(5分以上)、強くいきまないと便がだせなかったり、便が細かったり、排便後にも便が残った感じがしたり、肛門の周りや膣を後方に押して便をだしていたり、ウオシュレットの水を直腸内に入れて刺激しないとだせなかったりします。これらの場合には検査を行います。直腸肛門内圧検査で直腸と肛門の機能を検査します。造影剤を直腸に入れて、造影剤を排出してもらう排便造影も行います。これらの検査を参考にしながら生活習慣の改善、薬剤投与、バイオフィードバック療法という訓練にて治すことができます。強くいきんで便をだす習慣を続けていると痔核や裂肛が悪化したり、将来的には骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱、直腸脱など)や便失禁を発症することがあります。悪化すると外科的治療が必要となる場合もあります。